PROGRAM

新しい音への扉を開く!ワークショップ・コンサート

アンサンブル・スリーの部屋

トランペット、トロンボーン、ギターという特異な編成のユニット「アンサンブル・スリー」によるコンサート。メンバー全員がメルボルン音楽院で教鞭を執るだけに、実力の高さはもちろんのこと、そのユニークな編成で拓く新しい音楽はオーストラリアだけでなく、世界中で評価されています。来日を2年延期し、今年、やっとコンサートを実現できる運びとなりました!
今回は、日本では珍しいオーストラリアで活動する作曲家の作品を中心にお届けいたします。
小さな空間で間近に見て、聴く、3人の緻密で大胆なアンサンブルをお楽しみください。

Program notes  文:ジョエル・ブレナン

パーシー・グレインジャー(1881-1961):ランダム・ラウンド
Percy Grainger (1881-1961): Random Round

今回演奏する5つの曲はすべてオーストラリアの作曲家によるもので、伝統的なクラシック音楽だけでなく、民族音楽、ジャズ、ポップス、ロックなど、まったく異なるスタイルの世界を網羅しています。最初の作品を除いて、すべての作品がアンサンブル・スリーのために書かれたものです。パーシー・グレインジャーは吹奏楽の作品でよく知られていますが、20世紀で最も多彩で独創的な作曲家のひとりです。彼は前衛的な技法や様式を試みており、《ランダム・ラウンド》(1912年)は偶然性の原理を探求した初期の作品です。曲の形式や楽器編成を含む多くの演奏上の決定が演奏者に委ねられており、演奏される度に全くユニークな作品が生み出されます。

ケイティ・アボット(1971-):「ミッドナイト・ソングス」より第1楽章 子守唄
Katy Abbott (1971-): Midnight Songs, Mvt. I “Lullaby”
ケイティ・アボットは、2013年に結成されたアンサンブル・スリーが最初に委嘱した作曲家です。《ミッドナイト・ソングス》(2013)は、瑞々しく広がりのある作品です。初演以来、聴衆からの人気を博し、アンサンブル・スリーのデビューアルバムにも収録されています。3つの楽器はすべてアンプリファイを伴って演奏され、ループペダルの使用により暖かい雰囲気の中で、個々のメロディラインと即興が絡み合い、豊かな音のうねりを創り出します。

ハーリー・ストラウリッジ(1992-):オーバドゥ
Harry Sdraulig (1992-): Aubade
《オーバドゥ》(2017)を通して持続する内省的で叙情的なムードは、爽やかな秋の朝の優しい輝きに例えられるかもしれません。表情豊かで織り成すメロディラインは、半音階的なハーモニーの微妙なひねりに支えられています。作曲者のハーリー・ストラウリッジ(1992-)は「この珍しい楽器の組み合わせをできるだけ自然に響かせたい」「色彩的、質感的にさまざまな可能性を追求したい」と述べています。

ウォリー・ガン(1971-):風車
Wally Gunn (1971-): Pinwheel
《風車》(2016)は、人々がお気に入りの街の公園に集まり、新鮮な芝生に寝そべり、太陽を浴び、おいしいものを食べ、ボール遊びやフリスビーを投げ、凧を揚げる。そんな春の最初の暖かい週末の感覚をとらえることを目的とした曲です。この長い春の午後は、希望に満ち溢れ、永遠に続くかのようです。メロディとリズムのパターンは、変化を繰り返しながら、陽光のハーモニーへと変化していきます。春風の中で風車が回転するように。

メロディ・エトヴェシュ(1984-):ガンマ
Melody Eötvös (1984-): Gamma
《ガンマ》(2022)は、作曲家メロディ・エトヴェシュ本人が2014年に博士研究の一環として作曲したソロギター作品《Beyond Lilith》を再構築して生まれた作品です。とてもアクティブなエレキギターのパートが特徴で、その周りをトランペット/フリューゲルホルンとトロンボーンがうろつきまわります。


fujicome
数年前のメルボルン。僕の目の前で、「ジョエルは兵庫県に住んでたじゃん。どうやったら日本で演奏できるかな?ホール押さえてって感じ?」とトロンボーン奏者のドンがビールを片手に話している。ジョエルが答える前に「東京芸術劇場でよかったら、ボンクリで演奏する?」と言ったら、大喜びしてくれた。元々2020年に参加してもらう予定が、2021年もギリギリまで来れるかな、と日本の国境が開くのを待ったが、やっと今年、入国できることになったので、最初の予定から2年温めたプロジェクト。オーストラリアの音楽ってどんなのだろう!!!

開催情報

日程:2022.7.16(土)19:00~19:45[受付開始18:45]
会場:シンフォニースペース(5F)
出演:
アンサンブル・スリー Ensemble THREE
ジョエル・ブレナン(トランペット)
Joel Brennan, Trumpet
ドン・インメル(トロンボーン) 
Don Immel, Trombone
ケン・マレー(ギター)
Ken Murray, Guitar

■Tickets

チケット:1,000円(税込)
発売:2022.6.6(月)10:00~

※定員あり、事前申込制(先着順)
※公演は45分間を予定。
※0歳から入場可。2歳以下は保護者の膝上鑑賞に限り無料。お席が必要な場合はチケットをお求め下さい。
※チケット購入の際、「スペシャル・コンサート」のチケットは必要ありません。
※やむを得ぬ事情により、内容が変更になる場合がございます。
※公演中止の場合を除き、ご予約・ご購入いただきましたチケットのキャンセル・変更は承れません。


チケット購入
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(休館日を除く10:00~19:00) ※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。
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交通アクセス
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